【おすすめ】リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック【技術書】

2022-09-05技術書

学校や独学でプログラミング自体はできるようになったけど、どうやったら上手にプログラミングできるのかわからない!

とお悩みの方におすすめの一冊。

この本を読むことで、

獲得できる知識・スキル

プログラミングの仕方ではなく、プログラミングを上達させるための基礎的な知識・技法

を学ぶことができます。

おすすめ理由

例えばスポーツの場合、そのスポーツのルールを知り、ルールに則って基本的な動きができるだけでは当然ながらプロにはなれません。プロはそのルールの中で他の人よりも抜きん出て上手だからプロたりえる訳です。

それはプログラマーの世界でも同じこと。

職業プログラマーであるならば、プログラミングができるというだけでなく、可読性・保守性・独立性の高い、いわゆる『美しいコード』を組めるだけの技術力を求められることになります。

じゃあその『美しいコード』とは具体的に何なのか?

これは非常に広大なダンジョンで、どこまで階層が続いているのかもわからないような難しい問題です。プログラミングの世界では技術は目まぐるしく進化していくから、かつて正解だった方法が数年後も正解とは限らないし、A言語では推奨されている方法がB言語では推奨されないこともあります。

ただ、この先どんなに新しい技術や言語が開発されようと、常に共通して言えるだろうコーディング作法をまとめたもの――それが『リーダブルコード』です。
いわば暗闇に立ち向かうための大いなる松明。この先ずっと広大なダンジョンを歩いていくのに、非常に大きな力となる道標です。

内容は「理解しやすいコードとはそもそも何なのか」「どうすれば理解しやすいコードになるのか」という疑問について、どの言語にも共通する技術・アプローチの仕方を解説したもの。説明はC言語を例としているため少しとっつき辛いかもしれませんが、非常に明快な内容なのでC言語ユーザじゃなくても困ることはないかと思います。

読んでみると「勉強になる」と思う一方で、「一度読めば十分」とも感じるかもしれない。それぐらい、誰が見ても納得できる基本的な内容なのです。でもこの本で書かれている内容が、この本を見返さなくても実際に実践できているという手応えが得られるまでは、ずっと手元に置いておくことを推奨します。

自分の現場では新しく入った人にこのリーダブルコードをプレゼントしています。大抵の人が一回読んで「理解した」と思ってコーディングに臨むが、いざレビューしてみると全然実践できていないことが多いです。

とても基本的だけれど、それを実践するのは難しい――まさにプログラミング技術を支える基礎になってくれるノウハウなので、プログラミングが上手になりたいという人にはぜひ一度は読んでもらいたい。そして実践できていない時は何度でも読み返して欲しい。
そんな一冊です。

まとめ

  • プログラミングはできるようになったが、どうやったら上手にできるかわからないという人向け
  • 『美しいコード』を組むためにはどうすればよいかという知識・考え方を学べる
  • 解説はC言語を例としているが、どの言語にも共通する基礎的な内容なので、C言語がわからない人でもぜひ読んでみて欲しい

出版社:オライリージャパン
ページ数:260ページ
Kindle(電子書籍):なし

本の目次

はじめに

1章 理解しやすいコード
    1.1 「優れた」コードって何?
    1.2 読みやすさの基本定理
    1.3 小さなことは絶対にいいこと?
    1.4 「理解するまでにかかる時間」は競合する?
    1.5 でもやるんだよ

第I部 表面上の改善

2章 名前に情報を詰め込む
    2.1 明確な単語を選ぶ
        もっと「カラフル」な単語を探す
    2.2 tmpやretvalなどの汎用的な名前を避ける
        tmp
        ループイテレータ
        汎用的な名前のまとめ
    2.3 抽象的な名前よりも具体的な名前を使う
        例:DISALLOW_EVIL_CONSTRUCTORS
        例:--run_locally
    2.4 名前に情報を追加する
        値の単位
        その他の重要な属性を追加する
    2.5 名前の長さを決める
        スコープが小さければ短い名前でもいい
        長い名前を入力するのは問題じゃない
        頭文字と省略形
        不要な単語を投げ捨てる
    2.6 名前のフォーマットで情報を伝える
        その他のフォーマット規約
    2.7 まとめ

3章 誤解されない名前
    3.1 例:filter()
    3.2 例:Clip(text, length)
    3.3 限界値を含めるときはminとmaxを使う
    3.4 範囲を指定するときはfirstとlastを使う
    3.5 包含/排他的範囲にはbeginとendを使う
    3.6 ブール値の名前
    3.7 ユーザの期待に合わせる
        例:get*()
        例:list::size()
    3.8 例:複数の名前を検討する
    3.9 まとめ

4章 美しさ
    4.1 なぜ美しさが大切なのか?
    4.2 一貫性のある簡潔な改行位置
    4.3 メソッドを使った整列
    4.4 縦の線をまっすぐにする
        整列すべきなのか?
    4.5 一貫性と意味のある並び
    4.6 宣言をブロックにまとめる
    4.7 コードを「段落」に分割する
    4.8 個人的な好みと一貫性
    4.9 まとめ

5章 コメントすべきことを知る
    5.1 コメントするべきでは「ない」こと
        コメントのためのコメントをしない
        ひどい名前はコメントをつけずに名前を変える
    5.2 自分の考えを記録する
        「監督のコメンタリー」を入れる
        コードの欠陥にコメントをつける
        定数にコメントをつける
    5.3 読み手の立場になって考える
        質問されそうなことを想像する
        ハマりそうな罠を告知する
        「全体像」のコメント
        要約コメント
    5.4 ライターズブロックを乗り越える
    5.5 まとめ

6章 コメントは正確で簡潔に
    6.1 コメントを簡潔にしておく
    6.2 あいまいな代名詞を避ける
    6.3 歯切れの悪い文章を磨く
    6.4 関数の動作を正確に記述する
    6.5 入出力のコーナーケースに実例を使う
    6.6 コードの意図を書く
    6.7 「名前付き引数」コメント
    6.8 情報密度の高い言葉を使う
    6.9 まとめ

第II部 ループとロジックの単純化

7章 制御フローを読みやすくする
    7.1 条件式の引数の並び順
    7.2 if/elseブロックの並び順
    7.3 三項演算子
    7.4 do/whileループを避ける
    7.5 関数から早く返す
    7.6 悪名高きgoto
    7.7 ネストを浅くする
        ネストが増える仕組み
        早めに返してネストを削除する
        ループ内部のネストを削除する
    7.8 実行の流れを追えるかい?
    7.9 まとめ

8章 巨大な式を分割する
    8.1 説明変数
    8.2 要約変数
    8.3 ド・モルガンの法則を使う
    8.4 短絡評価の悪用
    8.5 例:複雑なロジックと格闘する
        より優雅な手法を見つける
    8.6 巨大な文を分割する
    8.7 式を簡潔にするもう1つの創造的な方法
    8.8 まとめ

9章 変数と読みやすさ
    9.1 変数を削除する
        役に立たない一時変数
        中間結果を削除する
        制御フロー変数を削除する
    9.2 変数のスコープを縮める
        C++のif文のスコープ
        JavaScriptで「プライベート」変数を作る
        JavaScriptのグローバルスコープ
        PythonとJavaScriptのネストしないスコープ
        定義の位置を下げる
    9.3 変数は一度だけ書き込む
    9.4 最後の例
    9.5 まとめ

第III部 コードの再構成

10章 無関係の下位問題を抽出する
    10.1 入門的な例:findClosestLocation()
    10.2 純粋なユーティリティコード
    10.3 その他の汎用コード
        思いも寄らない恩恵
    10.4 汎用コードをたくさん作る
    10.5 プロジェクトに特化した機能
    10.6 既存のインタフェースを簡潔にする
    10.7 必要に応じてインタフェースを整える
    10.8 やりすぎ
    10.9 まとめ

11章 一度に1つのことを
    11.1 タスクは小さくできる
    11.2 オブジェクトから値を抽出する
        「一度に1つのタスク」を適用する
        その他の手法
    11.3 もっと大きな例
        さらなる改善
    11.4 まとめ

12章 コードに思いを込める
    12.1 ロジックを明確に説明する
    12.2 ライブラリを知る
    12.3 この手法を大きな問題に適用する
        解決策を言葉で説明する
        手法を再帰的に適用する
    12.4 まとめ

13章 短いコードを書く
    13.1 その機能の実装について悩まないで――きっと必要ないから
    13.2 質問と要求の分割
        例:店舗検索システム
        例:キャッシュを追加する
    13.3 コードを小さく保つ
    13.4 身近なライブラリに親しむ
        例:Pythonのリストとセット
        ライブラリの再利用はなぜいいことなのか
    13.5 例:コーディングするよりも
        Unixツールボックスを使う
    13.6 まとめ

第IV部 選抜テーマ

14章 テストと読みやすさ
    14.1 テストを読みやすくて保守しやすいものにする
    14.2 このテストのどこがダメなの?
    14.3 テストを読みやすくする
        最小のテストを作る
        独自の「ミニ言語」を実装する
    14.4 エラーメッセージを読みやすくする
        もっといいassert()を使う
        手作りのエラーメッセージ
    14.5 テストの適切な入力値を選択する
        入力値を単純化する
        1つの機能に複数のテスト
    14.6 テストの機能に名前をつける
    14.7 このテストのどこがダメだったのか?
    14.8 テストに優しい開発
    14.9 やりすぎ
    14.10 まとめ

15章 「分/時間カウンタ」を設計・実装する
    15.1 問題点
    15.2 クラスのインタフェースを定義する
        名前を改善する
        コメントを改善する
    15.3 試案1:素朴な解決策
        このコードは理解しやすいか?
        読みやすいバージョン
        パフォーマンスの問題
    15.4 試案2:ベルトコンベヤー設計
        二段階ベルトコンベヤーの実装
        これで終わり?
    15.5 試案3:時間バケツの設計
        時間バケツの実装
        TrailingBucketCounterを実装する
        ConveyorQueueの実装
    15.6 3つの解決策を比較する
    15.7 まとめ

付録 あわせて読みたい
    高品質のコードを書くための書籍
    プログラミングに関する書籍
    歴史的記録

解説(須藤 功平)
    実際にやる
        実際にやるとぶつかること
        他の人に読んでもらう
        おさらい
    当たり前にする
        既存のコードを読みやすくする前にやること
        続けることが大事
    コードで伝える
    読みやすいコードがもっと当たり前であり続けるために
        コミットメールのススメ
        まずはあなたが読む
        添削コミット
        おさらい

最後に

Posted by 夕目紅